タブレットと紙とPC学習後、理解度テストとアンケートを行って、有効性を比較した実験があるので紹介します。

下の表は、学習教材のデバイスとしてのiPad・紙・PCの特性比較(赤堀侃司・和田泰宜)2012年からの引用です。

それぞれの問題に対する平均得点が3つの中で高い順に◎、◯、△と表されています。

table.gif

タブレットは紙に勝てるのか タブレット時代の教育』赤堀侃司著 2014年の中でも
紹介されていますが、簡単にまとめておきます。

詳しくは上記リンクから直接論文をご覧ください。


・平均得点
多肢選択問題、基礎的問題、知識問題でiPadより高得点

・アンケート結果
読みやすい(新聞以外は90-97%)、下線・チェック・メモしやすい(95,90%)、
読んだ・書いた・勉強したという実感がある(92-94%)
最も疲れやすい(66%)、最も飽きやすい(56%)

紙は多くの利点を持ちますが、続けにくいのが大きな欠点です。
量が多かったり、内容が難しかったりすると、モチベーションを維持するのが困難です。
特に勉強が嫌いだったり、苦手意識があったりするとなおさらです。

iPad
・平均得点
記述問題、応用的問題、理解問題、総合問題で高得点

・アンケート結果
最ももう一度やってみたい(63%)、最も飽きにくい(100-8=92%)

得点に関しては、タブレットでは、動画など紙より考えるための情報量が多かったことが
考える問題で高得点できたことにつながったのでしょうが、紙には不可能な特長です。

映像、音声情報は努力しなくても少し集中していれば、短時間で大量の情報をインプットできます。
紙は本来、文字情報中心で負荷が高めなので、もし画像情報や音声情報も盛り込もうとすれば、
ページ数が急増し、学習者にさらなる負担を強いることになってしまいます。

意外だったのは、PCとタブレットは教材内容は同じなのに、結果に差が出たことです。

画面に直接手で触れられるからと推測されていました。

『タブレットは紙に勝てるのか タブレット時代の教育』には、それぞれの特徴と役割があるので、
実用的には併用して使うことが望ましいとありました。

個人が入試合格などの目的を達成するために学習教材として使う場合には、一般的な特徴をふまえ、自分の性格も考慮して、紙教材との使い分けも含め、最も効果的な使い方を模索しながら、自分にとっての最適な勉強法を確立していく必要がありそうです。

 カテゴリ